2003年8月
このころの出来事
・自衛隊の派遣を可能にするイラク特措法成立
・約6万年ぶりに火星が地球に大接近
・世界水泳選手権にて北島康介が世界新で2冠
・宮城県北部で震度6強
2003年8月
冷夏と呼ばれた夏が思い出したように暑さをぶり返してきますね。
1993年、丁度10年前も冷夏でした。
この年、はじめてヨーロッパに行って来ました。それもツアーではなくひとりで(言葉も通じないのに!・・・いつも無謀な事をしています)
はじめてのヨーロッパはパリから始まりました。
ぶらり一人旅なので、前日にガイドブックを見てフラフラと歩きまわったのですが、いま思うと本場のシャンソンを聴いておけば良かったと悔やまれます。当時はそれほど歌に目覚めていなかったものですから・・・
彼の地では文化の違いを色々感じましたが、その一つに日本人の原点は自然崇拝で、ヨーロッパの人たちは、人間賛歌から始まっているのではないかという思いがあります。
抽象的な言い方ですね。
セーヌ川を舟で回っていると橋の欄干の外側に端正な女性の顔の彫刻が並んでいたり、街のそこここに歴史を感じさせる人物像があったり。花鳥風月の日本とは根本的に違うと思った所以です。
ルーブル美術館の絵画を見て歩いたときのこと、大きな部屋にびっしりと飾られた絵画には皆人物が描かれていて、大きな絵になると何十人の人が描かれているのですから、人・人・人。人に疲れてしまって、風景画が飾られている部屋に来た時には、風が吹き抜けるような感じさえ覚えました。人が与える圧迫感はすごいと思いました。
誰もいないところで好きに歌えたら、どんなに気持ちいいだろうと思うことがあります。一方、人を感動させる歌を歌いたいという強い思いもあります。
お客様に圧迫感を感じるのではなく、力をいただいて歌を大きくしていきたいと思います。
お客様の前で歌うということは、聴いていただくとともに見ていただく要素も大きいと最近つくづく感じます。見て楽しんでいただく事も大切なんですね。私の新しい課題です。
別に大げさな身振り手振りやダンスパフォーマンスをやるつもりはありませんが、出来れば、歌の心を伝えるのにふさわしい雰囲気を身体全体から発して、お客様を自分の世界に引き込んでいけたら・・・なんて考えています。
もちろん、大前提に歌の完成度がある事は言うまでもありません。